
はじめに
新人の頃、ICUで患者さんの痛みを評価するのが苦手でした。
意識がはっきりしている患者さんなら、
「痛いですか?」
と聞くことができます。
でも、人工呼吸器を装着していたり、鎮静されていたり、意識がはっきりしない患者さんの場合、
「痛みってどうやって分かるんだろう?」
と悩んでいました。
今回は、ICU新人時代に痛みの評価が苦手だった話と、5年目になった今、どんなところを見るようになったのかを書いていきます。
新人の頃は「痛いと言っていない=痛くない」と思っていた
新人の頃は、患者さんが「痛い」と言っていなければ、
「今は痛くないのかな」
と考えてしまうことがありました。
でも、ICUではそれだけでは判断できません。
人工呼吸器を装着している患者さんや、鎮静されている患者さんは、自分から痛みを伝えられないことがあります。
そのため、患者さんの表情や動きなど、言葉以外の部分を見る必要があります。
まずは患者さんに聞く
意識があり、コミュニケーションが取れる患者さんであれば、まず本人に聞くことが大切です。
「痛みはありますか?」
だけではなく、
- どこが痛いのか
- どのくらい痛いのか
- いつから痛いのか
- 動いた時に痛いのか
- 安静にしていても痛いのか
などを確認するようになりました。
患者さん本人の訴えは、とても大切な情報だと感じています。
意識が悪い患者さんは「行動」を見る
問題は、本人に聞けない患者さんです。
その場合は、
- 顔をしかめていないか
- 体をこわばらせていないか
- 身体を引いていないか
- 落ち着かない様子がないか
- ケアの時に反応が強くなっていないか
- 血圧・心拍数が突然上がっていないか
などを見るようになりました。
特に、体位変換や吸引などのケアをした時に反応が強くなる場合は、痛みが隠れていないか考えるようにしています。
RASSだけでは痛みは分からない
前回の記事でも書いたRASSは、鎮静の深さを評価するためのものです。
そのため、
「RASSが−2だから痛みはない」
というわけではありません。
鎮静されていても、痛みを感じている可能性があります。
ICUでは、
「眠っている=痛くない」
と決めつけないことが大切だと学びました。
鎮痛と鎮静は別に考える
新人の頃は、鎮静薬が入っている患者さんを見ると、
「眠っているから大丈夫」
と思ってしまっていました。
でも、鎮静と鎮痛は別です。
患者さんを眠らせることと、痛みを和らげることは同じではありません。
だからこそ、
「この患者さんは眠れているけど、痛みはどうだろう?」
と考えることが大切だと思っています。
5年目になって意識していること
今は、痛みを評価するときに、
「患者さんは今、何をされているのか」
を考えるようになりました。
例えば、
- 手術後
- ドレーンが入っている
- 気管挿管されている
- 体位変換をする
- 吸引をする
- 創部の処置をする
など、痛みが起こりやすい場面を意識します。
「痛いと言っていないから大丈夫」ではなく、
「この状況なら痛みがあるかもしれない」
と考えることが大切だと感じています。
痛みを評価することは、患者さんの苦痛を減らすことにつながる
ICUでは、患者さん自身が痛みを伝えられないことがあります。
だからこそ、看護師が患者さんの小さな変化に気づくことが大切です。
新人の頃は、痛みの評価も「スケールをつける作業」のように感じていました。
でも経験を重ねる中で、
「この患者さんは今つらくないかな?」
と考えること自体が、痛みの評価のスタートなんだと思うようになりました。
最初から完璧に評価できなくても大丈夫
痛みの評価は、新人の頃には難しく感じると思います。
自分も、
「本当に痛いのかな?」
と迷うことが何度もありました。
でも、患者さんの表情や動き、ケアへの反応などを少しずつ見るようになると、以前よりも変化に気づけるようになりました。
分からない時は一人で判断せず、先輩や医師に相談することも大切です。
まとめ
ICU新人の頃、痛みの評価はかなり苦手でした。
今振り返ると、
- まず本人に聞く
- 本人に聞けない場合は行動や表情を見る
- RASSと痛みは別に考える
- 鎮静されていても痛みがないとは限らない
- これから行う処置やケアによる痛みも考える
- BPS・フェイススケールなどの痛みの評価も行う
ということを意識するようになりました。
ICUでは、患者さんが自分から「痛い」と言えないことがあります。
だからこそ、
「この患者さんは今、痛くないかな?」
と考えることが大切だと思っています。
この記事が、ICUでの痛みの評価に悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。


コメント