新人の頃、
忘れられない日勤がある。
ICU配属1年目、最初の受け持ちの日。
担当することになったのは、
挿管管理中のくも膜下出血の患者さんだった。
申し送りのあと、先輩に言われた。
「あなた、くも膜下出血わかるの?」
前日、自分なりに予習してきた内容を伝えた。
でも返ってきたのは、
「そのくらいじゃ受け持ちさせられないよ」
という言葉だった。
結局その日は、
受け持ちには入らず、
ICUの本棚の前で一日勉強して終わった。
正直、めちゃくちゃ悔しかった。
国家試験の勉強なんて何も通用しない。
現場で求められているものは、全然違った。
何もできない自分を突きつけられた感じがして、
情けなさもあった。
悔しかったから、勉強した
でも、その悔しさがあったから、
「ちゃんと勉強しよう」と思えた。
くも膜下出血だけじゃなく、
人工呼吸器、循環管理、薬剤。
少しずつ、
分からないことを減らしていった。
今振り返ると、
あの日が一番のスタートだった気がする。
越えられたかは分からない
正直、
あの先輩を越えられたかと言われると、
まだ分からない。
今はもう病院も違うし、
会うこともない。
でも、
「いつか越えたい」と思える存在がいたことは、
自分にとって大きかった。
言われるうちが花だと思っていた
今は、
あそこまで強く言われることも少なくなった。
同じように言われて、
辞めてしまう人もたくさん見てきた。
でも自分は、
悔しかったけど、
刺激をもらえたと思っている。
「言われるうちが花」
そう思いながら働いていた。
今もし、
新人の頃の自分みたいに悔しい思いをしている人がいるなら、
その経験はきっと後で武器になると思う。
コメントを残す